スタバから学ぶ

企業の“ミッション”を考える。スターバックスに学ぶ、本当に目指すべきゴール(1)

企業は何のために売上をあげ、事業規模を拡大しイノベーションを起こすのか?スターバックスのシュルツCEOから学ぶ「本当に目指すべき」ゴールとは?

2016.07.15

企業の目的とは何だろうか――。
日々、任された課題やプロジェクトに没頭していると、こういった疑問は頭の隅に追いやられてしまうかもしれない。しかし、自分が何のために働いているのか、自分の働いている企業は何を目指しているのか、それらを曖昧にしたまま業務にあたるのは、決して真摯なビジネスマンの姿勢とはいえない。

スターバックス シュルツCEO

スターバックス シュルツCEO
http://articles.latimes.com/,(参照 2016-7-14)

今一度、自分の会社が何を目指しているか考えてみると、すぐに明確な答えがでないことに気付く。製品を売る、売上の向上、事業規模の拡大、社会へのよりよいサービスの提供、世界が驚くようなイノベーション…、そのどれもが不正解ではないはずだが、どうも抽象的ではっきりしない。それは、売上や規模の拡大の先に何があるかが不明瞭だからだ。何のために、売上をあげ、事業規模を拡大し、イノベーションを起こすのか。企業の“ミッション”とは、こういった目標のさらに先にある、本質的なゴールといってもいい。

企業のミッションを考えるうえで、お手本となるのがスターバックスだ。
スターバックスは、「OUR STARBUCKS MISSION」という独自のミッションを掲げ、そのミッションに基づく、社員教育や施策を展開している。

スターバックスが何をしている企業かと聞かれれば、ほとんどの人が「コーヒー屋」だと答えるだろう。しかし、「OUR STARBUCKS MISSION」によると、スターバックスにとってコーヒーの提供はあくまで“手段”でしかない。スターバックスの仕事は、コーヒーを売ることではなく、コーヒーを提供しながら、「人を喜ばせること」だとしているのだ。
コーヒーの質の追求ではなく、「人を喜ばせるためにはどうすればいいか」がミッションになっている。

そんな「OUR STARBUCKS MISSION」とは一体どんなものだろうか。その一部を以下に抜粋する。

・本社の正社員も店舗のアルバイトもすべて「パートナー」と呼ぶ
ストアマネージャーも社長も。対等で垣根がない。「人を喜ばせる」はお客様だけではなく、従業員にもあてはまる。

・パートナーは、スタバの文化を自分たちで守っているという自負がある。
本社は「サポートセンター」と呼ばれる。主役は現場にある。

・合理性がすべてではない。「サードプレイス」のコンセプト。
人が一番長く過ごす場所(ファーストプレイス)が自宅、二番目(セカンドプレイス)が職場や学校。
スターバックスは第三の居場所を目指す。

・ジャストセイイエスのポリシー
お客様にもパートナーにも最初はイエスで応える。

非常に“立派な”理念が語られているが、それだけに、ともするときれいごとに思えてしまう人もいるかもしれない。しかし、スターバックスのすごいところは、これを具体的な施策や制度に落とし込み、本当の意味でミッションの達成を目指している点だ。

世の中には、社長や経営層の独りよがりと思われるようなクレドを制定している企業も少なくないが、スターバックスにはミッションが全社員に行き届くような制度ができている。スターバックスのやっていることを全て実行するのは難しいかもしれないが、手本となる好例として具体的な事例を見ていく。

(2)へ続く。近日公開 ―感動を呼ぶスタバの接客とは?―

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