農業IoT

農業は遠隔操作の時代へ!農業IoT「ゼロアグリ」

今日まで農家の方々は毎日畑に出て、土や作物の様子を見ながら臨機応変に育て方を決めてきました。
しかし、そのような努力を必要としないIoTを用いた新しい農業の形が生まれつつあります。

2017.01.17

新しい農業の形「ゼロアグリ」

農業が遠隔操作で行える時代が来るかもしれない――。 そんな新しい農業の形を実現するため、ルートレック・ネットワークス(http://www.routrek.co.jp/)は、独自のアルゴリズムとIoTを用いることで、最適な水分と肥料を自動で計算し、実際に農場への供給を可能にするシステム「ゼロアグリ」を開発中。

すでに、グロービス・キャピタル・パートナーズ、東京大学エッジキャピタル、テックアクセルベンチャーズ、オイシックスより、総額4億円の資金調達を実施したことを発表しており、製品化に向け研究が加速しています。

IoTで作物の状態を管理

今までの農業は農家の方々が気温や湿度、土壌環境に毎日注意を払い、水や肥料の与えすぎや不足の無いように、長年の経験と勘を用いて行われてきました。

「ゼロアグリ」は、ビニールハウス内で地表か地面の中に点滴チューブを設置し、そこから必要な水と肥料を作物に与えて育てる養液土耕栽培を自動化するシステム。

日射センサー、土壌センサー、温湿度センサー、そして農地に水と肥料を与える液肥タンクと連携しており、センサーのデータを元に自動で液肥タンクを制御するため、かん水と施肥作業に関する労力・時間の大幅な削減を実現します。

また、タブレット端末でセンサーの数値を確認し、手動で与える水の量などを調節できるのも強みのひとつ。

今までは自分で畑に出て気温や土の状態などを確認し、与える水の量等を決めていましたが、センサーによる確認から実際の作業までを遠隔操作で行えるようになったことで、作業者の負担を軽減することができるようになります。

ジミー

遠隔で農業ができたら、かなり楽になるよね!

カッシー

怠け者の僕でもできそうだよ

「ゼロアグリ」で技術継承を

http://blog.goo.ne.jp/,(参照 2017-01-17)

現在の就農人口の平均年齢は67歳。就農人口が減少し、就農者の高齢化が進んでいる今、この方たちの引退することで、これまで受け継がれてきた知識や経験が失われてしまう恐れがあります。

ルートレック・ネットワークスの創業者である佐々木氏は、技術継承が途絶えることを防ぐため、「ゼロアグリ」を用いて農家が培っていた経験や勘を栽培アルゴリズムに反映していきたいと言います。

「ゼロアグリ」の基本システムは120万円で運用費が年間12万円。この値段は農家が1年半から2年ほどで回収できる価格です。比較的手が出しやすい価格であるため、現在では既に50件以上の農家がゼロアグリを導入。

導入した農家では、かん水作業の削減、使用する肥料や農薬の量の削減に加え、収穫量の増加、作物の品質の向上など、さまざまなメリットが結果として表れており、今後更なる普及が期待されています。

ジミー

最新システムだから高いと思ったけど、意外と安いんだね!

カッシー

代々受け継がれてきた農家さんの知識や経験をしっかり継承してほしいね!

「ゼロアグリ」のこれから

ルートレック・ネットワークスは今後、調達した4億円を使って「ゼロアグリ」のアルゴリズムのさらなる研究開発をしていく予定。また、日本と気候が似ているアジア地域への進出も視野に入れ、グローバルな展開をしていくとのことです。

農業は比較的新しい物を取り入れたがらない保守的な産業と言われていますが、「ゼロアグリ」の今後の発展と、変わりつつある農業の形から目が離せません。

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