失敗大賞応募作品
北海道・植田さんの失敗大賞応募作品「広島旅行」を紹介します。
2017.06.06
私が関西に住んでいる頃のお話です。大手量販店本社に勤務する私は出張が多く特に要注意なのが寝坊すること。でも長年勤務するも寝坊でドジったことは一度もなかった。
と、言っても朝自宅で寝坊することは一度もなく、それどころか朝は毎日4時に起床する。だから会社に出勤するのに寝坊して遅刻したことは一度もありませんでした。だがもうすぐ定年を迎えようとしているある日のことでした。
私は初めて寝坊による大失態を起こしてしまいました。
それでは一体私のどんな寝坊なのかと言うと、それは乗物に乗った時のことでした。極力私は近距離に行くときはシートには座らぬように心がけていますが、やはり長距離出張などの場合はどうしても列車のシートに座ってしまう。
それも座席指定を予約すると安心するのかぐっすりと寝込んでしまうことも多い。そんなこんなのバタバタミスをお話したいと思います。
ある日大阪に宿をとり京都に出張したときのことでした。仕事の都合で終わったのが深夜近くなり大阪まで帰るのにはもはや近距離のJRも無く、ましてや私鉄も終電が終わった時刻。
そこでタクシーで大阪まで帰ろうと思ってJR京都駅へと向かった。
そして切符売り場の前に立つとなんと時刻表の看板を見た私はまだ列車があることに気づきました。私は急いで乗車券と座席指定券を手に入れホームに急ぎました。
やっとのることができた私は安心したのか駅前で買った缶ビールを飲み何時の間にかうつらうつらと眠ってしまったのです。私の乗った列車は、九州は博多行きの夜行列車ブルートレインだったのです。
よせばいいのにあの缶ビール、飲んでしまったのが私の運のつき。下車するはずの大阪を過ぎ、神戸~姫路~岡山と列車は快適に走る。
やがて太陽が昇り出した頃には列車はすでに広島駅に近づいていたのです。窓から入る太陽の陽に私はやっと目を開くことができました。
おやっと思いよく見るとある駅に止まろうとしていました。
何とその駅は広島駅だったのです。私は「しまった!」と思いあわてて鞄を持ちホームに飛び降りました。何と大阪に下車するはずが広島まで来てしまいました。
本日は大阪のホテルで会社の会議があるのです。私は困りましたが思い切って会議室に電話したのです。いまさら言い訳しても駄目だと思い上司に素直に私の落ち度を話しました。幸い上司も疲れていたのでは?と、気持ち良く返事を頂戴し私は一日の休暇を頂きのんびりと広島見学をしました。
幸いその後無事定年退職することができ今ではすっかり寝坊することは無くなりました。
たかが寝坊では済まされないこともあるよね、、
重要な予定の場合は自由席にして座らない方がいいかもね〜