急転落のアプリ会社

人気スマホゲームリリースから一転。大赤字に陥ったアプリ会社の急転落(2)

日本風にローカライズしたスマホゲームでマイナス1億円という大赤字を出してしまうスマホゲームアプリ会社の痛い話。

2016.10.27

前回の記事 「人気スマホゲームリリースから一転。大赤字に陥ったアプリ会社の急転落(1)」

失敗2 ゲームジャンルを広げて失敗

新規サービスだけでなく、新規ジャンルに手を出したのも大きな失敗だった。もともと、この企業では幅広いユーザーがライトにプレイするカジュアルゲームが得意であったが、ダンジョンRPGのようなミッドコアゲームにも手を出した。

その裏には、ミッドコアゲームの方が課金額も高いため、売上も急増するはずだという思惑があった。しかしその結果、自分たちの得意なゲームジャンルに、リソースを集中できなくなってしまった。

そもそもユーザー層が違う

カジュアルゲームとミッドコアゲームではそもそもユーザーが全く異なってくる。当然、ユーザーがゲームに求めるものも大きく変わってくる。

カジュアルゲームでは「わかりやすい気持ちよさ」が求められている一方で、ミッドコアゲームでは「ゲームの奥深さ」が求められる傾向にある。

カジュアルゲームは、通勤途中などに「気持ちよさ」を味わうためにプレイするが、ミッドコアゲームは、ある程度まとまった時間集中して「ゲームの奥深さ」を楽しむ。自社で得意としていたことと、ミッドコアゲームで求められていることがうまくマッチせず、成功につながらなかった。

命をかけた立て直し

立て直しを図るため、まずはコストの削減を徹底した。切り詰められるところは、当然ギリギリまで削った。このころには生きるか死ぬかという状況に陥っており、人員を減らす必要もあった。当時20名いた社員は現在6名になった。去って行くメンバーに対して、多大な罪悪感が芽生えたが背に腹は代えられなかった。

もちろん並行して売上もつくっていかなくてはならない。会社を守るため、「次にどうしていくのか」という話を、半ばケンカをしながらでも進めた。

当時はとにかく、「会社にとってベストな事は何か?」ということを考えていたというN氏。
S氏と共に、ずっと「後悔だけはしないようにしよう!」と話していたという。
もし会社の資金が尽き、支援者に謝罪をしなければならないときがきたとしても、何もやり切らずにごめんというのは失礼すぎる。必ずできることをやりきって、滅ぶなら滅ぶという覚悟を決めた。

▼この記事には続きがあります
人気スマホゲームリリースから一転。大赤字に陥ったアプリ会社の急転落(3)

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